ナショナル ジオグラフィック

ジーニアス:ピカソ

原題: Genius: Picasso
ジーニアス:ピカソの写真

番組内容

その男が歩む道は、すべてが芸術になる。
人類の歴史に偉大な足跡を残す天才たちの知られざる素顔に迫るドラマ・シリーズ「ジーニアス」の第2弾。天才芸術家パブロ・ピカソの人生を全10話に渡って描く。キュビスムの創始者として美術界の既成概念をことごとく打ち破り、20世紀最大の画家として世界中の誰もがその名を知るピカソ。だが、果たして彼はどんな人物だったのか。どのような人生を歩んで、どのようにして才能を開花させたのか。

祖国スペインで過ごした少年期、フランスのパリで画家としての方向性を模索した青年期。その後名声を確立してもなお飽くなき挑戦を続けた、91年に及ぶ長い人生の様々な時間軸を交差させながら、ピカソの人となりを紐解いていく。多くの女性を愛した恋多き男性としても知られるピカソ。彼にとって女性はただの恋愛対象ではなく創造力の源であった。そんな、強い意志を持った女性たちとの激しくも狂おしいロマンス、詩人マックス・ジャコブやギョーム・アポリネールらとの友情、スペイン内戦や第二次世界大戦などの激動する社会情勢を織り交ぜることで、情熱の赴くままに生きた天才芸術家の苦悩と葛藤、『ゲルニカ』をはじめとする名画の数々に込められた想いを浮き彫りにしていくのだ。

予告編

■60分x10話

見どころ1
映画界の巨匠と世界的大物スターが最強タッグ!‘17年度エミー賞で10部門にノミネートされた『ジーニアス:世紀の天才アインシュタイン』に続く、オリジナル・ドラマ『ジーニアス』シリーズの第2弾。前作『ジーニアス:世紀の天才 アインシュタイン』に続いて製作総指揮を担当するのは、『アポロ13』や『ビューティフル・マインド』、『ダ・ヴィンチ・コード』などの名作ハリウッド映画を手掛けてきた、ロン・ハワード監督と製作者ブライアン・グレイザーの名コンビ。さらに、『ビバリーヒルズ高校白書/青春白書』や『スタートレック:ヴォイジャー』などの脚本で知られるテレビ界のベテラン、ケン・ビラーも脚本及び演出に参加している。その製作陣がピカソ役として、当初から「彼しかいない」と白羽の矢を立て口説き落としたのが、『フィラデルフィア』や『デスペラード』シリーズ、『エクスペンダブルズ3 ワールドミッション』などでお馴染みの、スペインが誇る世界的映画スター、アントニオ・バンデラス。実はピカソと同じスペインの地中海沿岸都市マラガ出身のバンデラスは、若い頃からピカソの作品や人物像に魅せられており、彼を演じることは生涯の夢だったと語っている。

また、ピカソが最も愛した女性とされるフランソワーズ・ジロー役には『ハリー・ポッター』シリーズのクレマンス・ポエジー、アポリネール役にはドラマ『FRINGE/フリンジ』のセス・ガベル、ジャコブ役にはドラマ『グレイズ・アナトミー』のT.R.ナイトなど多彩なキャストが揃う。

見どころ2
20世紀を代表する天才芸術家ピカソの素顔とは?20世紀最高の天才芸術家として誰もが名前を知るパブロ・ピカソ。しかし、キュビスムと呼ばれる現代美術のジャンルを確立させた凄い人らしい、何人もの奥さんや愛人を持ったプレイボーイだったらしい…くらいのことは聞いたことがあっても、具体的にどういう人物だったのか、どのような人生を歩んだのかは意外と知られていない。「ピカソの人生はあまりにも波乱万丈で、とても2時間程度の映画で描き切ることは出来ない。10時間のテレビシリーズでなければ伝わらないんだ」という脚本家ケン・ビラーの言葉通り、その誕生の瞬間からドラマチックだったピカソの生涯。収入の安定した美術教師になって欲しいという両親に「必ず偉大な画家になって見せる」と断言し、異国の地フランスで美術界の権威主義と闘った若き日、創造の源=ミューズであった女性たちとの激しい愛憎、成功してもなお世間の常識に挑み続けた情熱、その知られざる素顔の全てがここに描かれる。

見どころ3
数々の名画に隠された感動の誕生秘話スペイン内戦でドイツ軍によって空爆された地方都市ゲルニカをモチーフにして描かれた反戦的な力作『ゲルニカ』を筆頭に、誰もが一度は見たことのあるピカソの名画の誕生秘話も描かれる本作。あえて政治には関わろうとしなかったピカソが、なぜ反戦をテーマにした作品を発表したのか。彼の人生の様々な場面の時間軸を自在に行き来しながら、それぞれの絵画に込められたピカソの熱い想いを浮き彫りにしていく。細部まで忠実に再現された名画群のレプリカが撮影で使用されているほか、劇中に描かれるエピソードも様々な資料や回顧録に残された事実のみを基にしている。

見どころ4
豪華なヨーロッパ・ロケで鮮やかに甦るピカソの生きた時代主なロケ地となったのはハンガリーのブダペスト。かつてオーストリア=ハンガリー帝国におけるウィーンに次ぐ第二の首都として栄え、今なお18~19世紀の街並みをそのまま残すヨーロッパ屈指の古都に、2つの世界大戦やスペイン内乱などの社会不安に揺れる、ピカソの生きた激動の時代が鮮やかに再現されている。さらに、ピカソの母国であるスペイン、第二の故郷となったフランスでも大規模なロケが行われており、ベル・エポック文化華やかなりし頃のパリや王政復古時代のスペインなど、古き良きヨーロッパの世界が生き生きと描かれている。また、ピカソのトレードマークとなったボーダーTシャツをはじめ、ヴィンテージとレプリカを巧みに織り交ぜた、レトロでお洒落なコスチュームの数々も要注目だ。

番組のみどころ

吹替版 声優

パブロ・ピカソ
大塚明夫

【プロフィール】
生年月日:11月24日
出身地:東京都
特技:牽引免許・空手・茨城なまり

【代表作品】
■アニメ
『攻殻機動隊STAND ALONE COMPLEX / S.A.C 2nd GIG』(バトー役)
劇場版『ハウルの動く城』(国王役)
劇場版『紅の豚』(カーチス役)
劇場版『魔女の宅急便』(飛行船の船長役)
『ブラック・ジャック』シリーズ(ブラック・ジャック役)
『サイボーグ009 THE CYBORG SOLDIER』(005役)
『ONE PIECE』(マーシャル・D・ティーチ役)

■外画
●アントニオ・バンデラス出演作品
『スパイキッズ』シリーズ『デスペラード』『バリスティック』 『マスク・オブ・ゾロ』『レジェンド・オブ・ゾロ』『暗殺者』

パブロ・ピカソ 青年期
神谷浩史

【プロフィール】
生年月日:1月28日
出身地:千葉県

【代表作品】
『斉木楠雄のΨ難』(斉木楠雄役)
『おそ松さん』(松野チョロ松役)
『夏目友人帳』(夏目貴志役)
『進撃の巨人』(リヴァイ役)
『イナズマイレブン アレスの天秤』(灰崎凌兵役)

フェルナンド・オリビエ
三森すずこ

【プロフィール】
生年月日:6月28日
出身地:東京都
趣味:料理、観劇、歌
特技:ダンス(JAZZ、TAP、BALLET)

【代表作品】
探偵オペラ ミルキィホームズ(シャーロック・シェリンフォード役)
ラブライブ!(園田海未役)
結城友奈は勇者である/鷲尾須美は勇者である(東郷美森/鷲尾須美役)
デジモンアドベンチャーtri.(武之内空役)
てーきゅう(新庄かなえ役)
神様はじめました(桃園奈々生役)
毎度!浦安鉄筋家族(大沢木小鉄役)
マイリトルポニー(ピンキーパイ役)
バービー:ライフ・イン・ザ・ドリームハウス(バービー役)
ウルトラマンジード(レム役)

フランソワーズ・ジロー
本名陽子

【プロフィール】
生年月日:1月7日
出身地:埼玉県
趣味:カフェめぐり、料理、オカリナ

【代表作品】
■アニメ
『耳をすませば』(月島雫役)
『おもひでぽろぽろ』(岡島タエ子役(小5))
『ふたりはプリキュア』(美墨なぎさ/キュアブラック役)
『機動戦士ガンダム00』(スメラギ・李・ノリエガ役)
『恋する天使アンジェリーク』(エンジュ役)

■外画
『アメイジング・スパイダーマン』(グウェン役)
『バトルシップ』(サム役)
『24 リブ・アナザー・デイ』(ケイト役)
『プリティ・リトル・ライアーズ』(アリソン役)
『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語』(ジューン/オブフレッド役)

ジュヌヴィエーブ・アリコー
戸松遥

【プロフィール】
生年月日:2月4日
出身地:愛知県
趣味はサメに詳しいこと、B級モンスター映画を見ることなど。

【代表作品】
『ダーリン・イン・ザ・フランキス』(ゼロツー役)
『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』(アイリス・カナリー役)
『妖怪ウォッチ』(ケータ役)
『ソードアート・オンライン』(アスナ役)
『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』(安城鳴子役)

ドラ・マール
桑島法子

【プロフィール】
生年月日:12月12日
出身地:岩手県
趣味:芸術鑑賞

【代表作品】
『宇宙戦艦ヤマト2202』(森雪役)
『カードファイトヴァンガードG』(明日川タイヨウ役)
『薄桜鬼』(雪村千鶴役)
『ガンダムSEED』(フレイ・アルスター/ナタル・バジルール役)
『神風怪盗ジャンヌ』(日下部まろん/怪盗ジャンヌ役)

マリー=テレーズ・ワルテル:小島 幸子
カルロス・カサヘマス:竹内 栄治
マックス・ジャコブ:蓮 岳大
ギヨーム・アポリネール:北沢 力
エミール・ジロー:長野 伸二
サルバドール・ルイス:綿貫 竜之介
ハイメ・サルバテス:菊池 康弘
マヌエル・パラレス:中村 和正
ポール・ローザンベール:宮﨑 聡

ジョルジュ・ブラック:染谷 俊之
パウロ・ピカソ:内山 昂輝
オルガ・コクローヴァ:冬馬 由美
ジュヌヴィエーブ・ラポルト:竹田 まどか
ジャクリーヌ・ロック:樋口 あかり

キャスト

パブロ・ピカソ

20世紀を代表する世界的な画家。1881年スペインのマラガ生まれ。少年時代より芸術の才能を発揮し、フランスのパリを拠点に創作活動を続ける。芸術の既成概念を覆す運動キュビスムを確立し、生涯で約5万点の作品を発表。1973年没。

アントニオ・バンデラス

1960年スペインのマラガ生まれ。ペドロ・アルモドバル監督の名作『神経衰弱ぎりぎりの女たち』(’88)や『アタメ』(’90)などで国際的な知名度を獲得し、『マンボ・キングス/わが心のマリア』(’92)でハリウッドに進出。『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』(’94)などの脇役を経て、主演作『デスペラード』(’95)の大ヒットでアメリカでもトップスターとして認知される。マドンナ共演のミュージカル『エビータ』(’96)やアクション・コメディ『スパイキッズ』(’01)シリーズでも有名。甘いルックスのラテン系美男子として、世界中の女性を虜にしてきた。最近ではシルヴェスター・スタローンらと共演した『エクスペンダブルズ3 ワールドミッション』(’14)も話題に。

パブロ・ピカソ 青年期

20世紀を代表する世界的な画家。1881年スペインのマラガ生まれ。少年時代より芸術の才能を発揮し、フランスのパリを拠点に創作活動を続ける。芸術の既成概念を覆す運動キュビスムを確立し、生涯で約5万点の作品を発表。1973年没。

アレックス・リッチ

ロサンゼルスを拠点に活躍するハリウッドの新進俳優。’12年にテレビ・デビューし、『TRUE DETECTIVE/ロサンゼルス』などのドラマにゲスト出演。女子プロレスリングを題材にした『GLOW:ゴージャス・レディ・オブ・レスリング』でセミ・レギュラーを務めている。今回の若きピカソ役が初めての大役となった。

フランソワーズ・ジロー

ピカソの愛人となった画家で美術評論家。1921年フランス生まれ。父親の反対を押し切って芸術の道へ進み、21才の時に親子ほど年の離れたピカソと出会う。彼の子供を2人もうけたが破局。

クレマンス・ポエジー

1982年フランスのパリ生まれ。子役として舞台デビューし、英国BBCの歴史ドラマ『レジェンド・オブ・サンダー』(’05)で評価される。映画『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』(’05)のフラー・デクレール役で世界的な知名度を高め、以降のシリーズにも同役で出演。’10年には人気ドラマ『ゴシップ・ガール』シーズン4で娼婦エヴァ役を演じて話題に。ファッションモデルとしても、ギャップやクロエ、ナイロン、Gスターなどの人気ブランドの広告に起用されている。

ドラ・マール

ピカソの愛人となった写真家で画家。1907年フランスのパリ生まれ。シュールレアリズム系の女流写真家として成功し、知人を介して知り合ったピカソと恋に落ちる。ピカソの『ゲルニカ』製作工程を撮った写真でも有名。1997年没。

サマンサ・コリー

イギリス出身の若手女優。オックスフォード演劇学校で学び、’14年に出演したロンドンの舞台『るつぼ』で演技賞を獲得。テレビの歴史ドラマ『女王ヴィクトリア 愛に生きる』(‘16~’17)の準レギュラーを経て、『ジーニアス:世紀の天才 アインシュタイン』(’17)でアインシュタインの最初の妻ミレヴァ・マリッチを演じた。

マリー=テレーズ・ワルテル

ピカソのモデルで愛人になった女性。1909年フランス生まれ。パリの百貨店から出てきたところを、通りがかったピカソにその美貌を見初められる。2人の関係はピカソ夫人オルガが亡くなるまで周囲に秘密にされた。娘マヤを出産。1977年没。

ポッピー・デルヴィーニュ

1986年イギリスのロンドン生まれ。’08年にモデルとしてスカウトされ、ローラ・アシュリーやバーバリーなどのモデルとして活躍。マーク・ジェイコブスのミューズとしても知られ、ルイ・ヴィトンの広告塔にも起用された。近年は女優業にも進出し、『キングスマン:ゴールデン・サークル』(’17)の悪女クララ役で強い印象を残す。

カルロス・カサヘマス

若き日のピカソの親友。1881年スペイン生まれ。バルセロナの有名なカフェ「四匹の猫」でピカソと知り合い意気投合し、一緒にパリへ赴くも酒や薬に溺れてしまう。1901年没。彼の死が「青の時代」と呼ばれるピカソの作風に影響を与えた。

ロバート・シーアン

1988年アイルランド生まれ。’10年より人気英国ドラマ『Misfits/ミスフィッツ‐俺たちエスパー!』でネイサン役をシーズン3まで演じてブレイクする。映画ではファンタジー大作『シャドウハンター』(’13)でヒロイン、クラリーの親友サイモン役を好演。アイルランドのテレビシリーズ『Love/Hate』(‘10~’13)では、アイルランド・アカデミー賞のテレビ部門助演男優賞に輝いた。

フェルナンド・オリビエ

若き日のピカソの恋人。1881年フランス生まれ。ピカソとは1904年にパリで出会う。幾人もの男性に虐待された危険から、当初は警戒心が強かったが、やがて彼の才能に惹かれる。彼女の書いた回顧録は、若き日のピカソを知る重要な資料。1966年没。

アシュリング・フランチオージ

1991年イタリア生まれ。父親がイタリア人で母親がアイルランド人。アイルランドのダブリンで育つ。英国ドラマ『THE FALL 警視ステラ・ギブソン』(‘13~’16)の女子高生ケイト役で注目され、『ゲーム・オブ・スローンズ』ではエダード・スタークの亡き妹リアンナ役を演じた。オーストラリアの歴史映画『The Nightingale』(‘18年公開予定)で初主演を果たし、今後の活躍が期待されている。

マックス・ジャコブ

フランスの高名な詩人。1876年フランス生まれ。パリで若き日のピカソと知り合って親交を深め、長年に渡る友人としてお互いに様々な影響を与え合った。キュビスムやシンボリズム、シュールレアリズムなどを取り入れた散文詩で有名。1944年没。

T・R・ナイト

1973年アメリカのミネアポリス生まれ。人気ドラマ『グレイズ・アナトミー』(‘05~)の外科医ジョージ・オマリー役でブレイクを果たす。シーズン5で降板後は、『グッド・ワイフ』シーズン4(‘12~’13)にセミ・レギュラー出演。最近はブロードウェイなどの舞台でも活躍している。

ギヨーム・アポリネール

20世紀のフランスを代表する前衛詩人で、シュルレアリズムという言葉の生みの親。1880年イタリアのローマ生まれ。パリでピカソと知り合い意気投合し、共にキュビスムの先駆者となる。ピカソの「ばら色の時代」の作風に影響を与えた。1918年没。

セス・ガベル

1981年アメリカのフロリダ生まれ。ドラマ『ダーティ・セクシー・マネー』(‘07~’09)の三男ジェレミー役と、『FRINGE/フリンジ』シーズン2以降(‘10~’13)のパラレル・ワールドの捜査官リンカーン・リー役で知られるようになる。『ARROW/アロー』(‘12~)にもヴァーティゴ伯爵で出演。『ジーニアス:アインシュタイン』ではアインシュタインの親友ミシェル・ベッソ役を演じた。

アラン・キュニー

フランスの有名な俳優。1908年フランス生まれ。画家志望だった10代の頃にピカソと知り合い親しくなった。巨匠マルセル・カルネの『悪魔が夜来る』(’42)で二枚目スターとなり、数多くの名作に出演。ピカソにフランソワーズ・ジローを引き合わせた。1994年没。

ジョニー・フリン

1983年南アフリカ生まれ。イギリスで育つ。ロック・バンド、ジョニー・フリン&ザ・サセックス・ウィットのリード・ボーカリストとして注目される。その傍らで俳優としても活動し、映画『ブルックリンの恋人たち』(’14)ではアン・ハサウェイと恋に落ちる人気ロックスター役を演じた。主演の英国ドラマ『恋愛後遺症』(‘14~’18)も話題に。『ジーニアス:世紀の天才 アインシュタイン』では若い日のアインシュタインを演じた。

エミール・ジロー

フランソワーズ・ジローの父親。望んでも恵まれなかった息子の代わりとして、将来は弁護士になるよう娘を厳しく育て、芸術の道には徹底して反対する。

セバスチャン・ロッシェ

1964年フランスのパリ生まれ。母国で映画デビューするものの、’92年にアメリカへ移住。『ラスト・オブ・モヒカン』(’92)など数々の映画で脇役を演じ、テレビのSFドラマ『オデッセイ5』(‘02~’03)で注目される。以降は主にテレビで活躍し、『スーパーナチュラル』の天使バルサザールや、『ヴァンパイア・ダイアリーズ』と『オリジナルズ』のオリジナル・ヴァンパイア、マイケル役などで知られる。

サルバドール・ルイス

ピカソのおじ。出産時にピカソを取り上げた医者でもある。ピカソのことを息子同然に可愛がり、美術学校の高額な授業料も両親に代わって支払ってくれた。

ジョルディ・モリャ

1968年スペイン生まれ。映画『ハモンハモン』(’92)でペネロペ・クルスの恋人役を演じて注目され、同じくペネロペ・クルスが出演したジョニー・デップ主演の『ブロウ』(’01)でハリウッドに本格進出。その後も『エリザベス:ゴールデン・エイジ』(’07)や『アントマン』(‘15)など数々のメジャー映画で活躍している。

ジーニアス:ピカソを楽しむためのトリビア

ピカソ トリビア
ピカソの愛用したボーダー

ピカソの愛用したボーダーTシャツは、日本ではバスクシャツとも呼ばれる。フランスとスペインの国境にある、バスク地方の漁師たちの仕事着だったことが由来とされるが、諸説あるため真偽は定かでない。海外では水兵服に由来するマリエネール、フランス最大の軍港があるブルターニュ地方に由来するブレトン・シャツとも呼ばれており、第一次世界大戦中に有名デザイナーのココ・シャネルが、水兵服にヒントを得てデザインに取り入れたことから普及した。

高額取引される作品の数々

世界中のオークションにて高額取引される作品の数が、ゴッホと並んで圧倒的に多いピカソ。これまでの最高値は、’15年にクリスティーズのオークションで取引された『アルジェの女たち』の1億7900万ドル(時価210億円)。個人売買を除いて、オークションにかけられた美術品としては史上最高額となった。そのほか、’10年にクリスティーズにて1億600万ドルで落札された『ヌード、観葉植物と胸像』、’04年にサザビーズにて1億400万ドルで落札された『パイプを持つ少年』などが話題となった。

ピカソと子供たち

ピカソは生涯で4人の子供に恵まれた。最初の妻オルガとの間の息子パウロ、マリー・テレーズ・ワルテルとの間の娘マヤ、そしてフランソワーズ・ジローとの間の息子クロードと娘パロマ。その中でパロマだけが芸術の道で成功した。ジュエリー・デザイナーとしてイヴ・サン・ローランやティファニーと提携して数多くの作品を発表し、その一部はワシントンD.C.の国立自然史博物館やシカゴのフィールド自然史博物館に所蔵されている。また、ロレアルとの提携で発売した香水「Paloma」と「Minotaure」はロングセラーとなっている。

ピカソと映画界

映画界との関りも少なくなかったピカソは、生前に何度か映画に出演している。アンリ=ジョジュル・クルーゾー監督の『ピカソ‐天才の秘密』(’56)などのドキュメンタリー映画のほか、ジャン・コクトー監督の『オルフェの遺言‐私に何故と問い給うな‐』(’60)にもカメオ出演した。また、娘パロマもワレリアン・ボロフチック監督の『インモラル物語』(’73)に女優として出演している。

ピカソと戦争

生涯で第一次世界大戦、スペイン内戦、第二次世界大戦を経験したピカソだが、そのいずれの戦争にも直接は関わらなかった。ただしファシズムに対しては強い嫌悪感を抱き、スペイン内戦に勝利して国家元首となった独裁者フランシス・フランコのことも死ぬまで認めなかった。なお、スペイン内戦ではフランコ率いるファシスト右派をドイツとイタリアが支援・参戦。そのフランコの依頼で1937年にドイツ軍は地方都市ゲルニカを空爆し、この事件を基にしてピカソは名作『ゲルニカ』を描いた。

ピカソと政治

自他ともに認める共産主義者だったピカソは、政治的な活動こそ積極的に行わなかったものの、1944年から亡くなるまでフランス共産党に在籍していた。当時のソビエト政府から国際レーニン平和賞を授与されたこともある。

フランソワーズ・ジローの活躍

フランソワーズ・ジローはピカソと別れた後に2度結婚しており、2番目の夫はポリオワクチンの開発者として世界的に有名なアメリカの医学者ジョナス・ソーク。この結婚でアメリカに移住した彼女は、ニューヨークとパリを拠点に画家として創作活動を継続。その功績を認められ’90年にフランス政府からレジオンドヌール勲章を授与されている。96歳の現在(2018年5月現在)もニューヨークで活動しており、各地でコンスタントに個展を開催。2010年には東京でも日本初の回顧展が開催され話題になった。

キャスト トリビア
バンデラス、ピカソの娘と?

ピカソ役を演じているアントニオ・バンデラスは、若い頃にニューヨークでピカソとフランソワーズ・ジローの娘パロマに会ったことがある。その際、「目を閉じてあなたの声を聞いていると、お父さんの声にそっくり」と言われたという。

香水で当時の気持ちに

フランソワーズ・ジロー役のクレマンス・ポエジーは、演じる役柄ごとに自分のイメージする香水を付けることを習慣にしている。香りを変えることで、役に入るきっかけが掴めるため。本作では1920年代に発売されたシャネルの22番を使用している。

撮影トリビア
ブダペストで再現された壮麗な映像美

ナショナル ジオグラフィックとハンガリーのパイオニア・プロダクションが提携し、ブダペストで撮影された本作。ブダペストは近年、ハリウッド映画のロケ地として引く手あまたで、最近では『オデッセイ』や『ブレードランナー2049』、『レッド・スパロー』などがブダペストで撮影されている。パイオニア・プロダクションが関わった作品としては、『アトミック・ブロンド』やアカデミー賞4部門候補の『マッドバウンド 哀しき友情』、『ドント・ブリーズ』などがある。

エピソード

「 第一話 (原題: Chapter 1) 」

第一話 (原題: Chapter 1)の写真

アントニオ・バンデラス主演で描くパブロ・ピカソの人生。ピカソがスペインのマラガで誕生した1881年と、既に世界的な名声を確立した1937年を起点に始まる。そして1899年、青年となったピカソが初めてパリを訪れると、彼の後の人生に多大な影響を与える出会いが…。一方、名声と共に複数の愛人もいる1937年のピカソは、スペインの地方の町ゲルニカが爆撃されたのを期に、大作に取り組み始めていた…。

「 第二話 (原題: Chapter 2) 」

第二話 (原題: Chapter 2)の写真

1940年以降ドイツ軍がフランスに侵攻。フランス各地のアトリエや別荘で過ごすピカソの生活にも様々な影響が出ていた。女性関係では、ドラ・マールとマリー=テレーズが鉢合わせする事件が起きるが、どちらとも別れられないと悟る。一方で、長らく2人から絵のインスピレーションを得ていないと、新たな刺激も望むのだった。時は遡って1900年パリ。画商のマニャックのつてで絵が売れ始めるが、求められるものを描くことに疑問を抱く。

「 第三話 (原題: Chapter 3) 」

第三話 (原題: Chapter 3)の写真

1943年パリ。新たな刺激を求めて、フランソワーズ・ジローへの興味を示したピカソだったが、訪問を受けると冷たく追い返す。フランソワーズへの気持ちは徐々に大きくなるものの、彼女の興味が“偉大なピカソ”であることに抵抗を覚えて、素直に力を貸せないのだった。一方、1902年のパリでは、青年ピカソの元に詩人のマックス・ジャコブが訪ねてくる。互いの才能を認め合う2人の、その後40年間に及ぶ友人関係の始まりだった。

「 第四話 (原題: Chapter 4) 」

第四話 (原題: Chapter 4)の写真

1944年パリ。マックス・ジャコブがゲシュタポに連行された。詩人のジャン・コクトーが保釈を求める嘆願書を作って署名を集めるが、ピカソは自分が関わると逆効果になると断る。またフランソワーズとの愛人関係が始まったピカソだが、ドラ・マールとも微妙な関係を続け、それがドラの心をむしばんでいく。一方1905年、詩人のアポリネールと知り合い、片思いだったフェルナンド・オリヴィエと結ばれ、絵画の新境地を開きつつあった。

「 第五話 (原題: Chapter 5) 」

第五話 (原題: Chapter 5)の写真

1946年パリ。ケガをして入院中のフランソワーズを見舞ったピカソは、会えなかった間の寂しさを語り、関係を復活させようと説得する。だがピカソの激しい愛情表現は時に常軌を逸して見えるのだった。ピカソは若き日のパリでも、折につけ感情を爆発させていた。収集家のスタイン兄妹に紹介されたマティスに対抗心を燃やし、嫉妬心からフェルナンドをアトリエに閉じ込めて死の危険にまでさらす。だがようやく大作を仕上げるのだった。

「 第六話 (原題: Chapter 6) 」

第六話 (原題: Chapter 6)の写真

1946年パリ。一緒に暮らし始めたピカソとフランソワーズは、お互いに翻弄されながらも相手への愛情を深めていくのだった。一方1908年のパリでは、ピカソの描いた「アヴィニョンの娘たち」が画商カーンヴァイラーの目に留まる。また画家仲間のブラックがこの絵に刺激されて新たなスタイルを模索し始めた。アヘンの常用者でもあった隣人の自殺をきっかけにアヘンを断ったピカソは、ブラックとともにキュビスムの追求に没頭していく。

「 第七話 (原題: Chapter 7) 」

第七話 (原題: Chapter 7)の写真

1912年、ピカソはフェルナンドと別れエヴァと付き合い始める。その頃からピカソの絵に人気が高まり裕福になっていく。やがてフランス・ドイツの間で戦争が勃発。ブラックやアポリネールなど友人たちが次々に出征していく。変わって1948年ピカソは共産党員となる一方、フランソワーズとフランスのヴァロリスで暮らしていた。2人目の誕生の間近にポーランドで開催される世界知識人会議に出席。世界平和に向けた活動に関わり始める。

「 第八話 (原題: Chapter 8) 」

第八話 (原題: Chapter 8)の写真

1917年、ピカソはコクトーの依頼を受けてバレエ「パラード」の舞台装飾と衣装に挑むことにする。絵画とは違う表現に楽しむ一方で、ロシア貴族の血を引くバレリーナ、オルガ・コクローヴァに一目惚れ。翌年、結婚すると社交界との付き合いが増えた反面、古い友人たちとは疎遠になる。変わって1949年、フランソワーズがピカソの他の家族たちを交流し始めたことが気に入らないピカソは、ヴァロリスの家を出てパリへ向かうのだった。

「 第九話 (原題: Chapter 9) 」

第九話 (原題: Chapter 9)の写真

1927年。オルガとの結婚を悔いる毎日を送るピカソは金髪の美少女マリー=テレーズを見初め、人目を忍んで付き合いを始める。そして1935年にマリー=テレーズが妊娠。これを機に彼女と同居を始めるが、娘マヤが生まれる頃には息苦しさを感じていた。やがて写真家のドラ・マールと出会い、個性の強い2人は刺激し合い始める。変わって1952年。ピカソがほとんど家に寄りつかない一方で、フランソワーズは自立心を取り戻しつつあった。

「 第十話 (原題: Chapter 10) 」

第十話 (原題: Chapter 10)の写真

1954年、別れた後のピカソとフランソワーズには、それぞれ新たな恋人ができていた。二人の子供たちクロードとパロマを介して付き合いは続いていたものの、お互いの思惑のずれや行き違いによって関係は悪化。ピカソは執ようにフランソワーズの人生を邪魔する。やがてピカソとの日々を綴ったフランソワーズの著書を巡って訴訟にまで発展。だが裁判の終結を機に2人は10年ぶりに電話で言葉を交わし、わだかまりが解けるのだった。

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