エリス・エメットは生まれながらの冒険家であり、ニュージーランドの山を中心に冒険に生きる日々を送ってきたが、今度の目的地は南太平洋の島々である。ただ1つの問題は、エリスに航海の経験がまったくないことだった。彼は友人やインストラクターから手ほどきを受け、次第に海の男にふさわしい技術と経験を身につけていく。そして船長となったエリスは大海原へ。練習航海で上陸を果たせなかったケルマディック諸島へ向かう。
ニュージーランドの冒険家エリス・エメットが航海術を一から学び、船でしか行けない南太平洋の島々を訪れる。今回、エメットが新船ローリー・モア号で訪れたのは大小合わせて約170の島々から成る国家、トンガ王国。本島であるトンガタプ島の南東に位置する離島エウア島の海では、ザトウクジラとの遊泳を満喫。さらには、旅で出会った孤島の住人ロフィと共に、海底火山の噴火によって誕生したまだ名もない新島へと向かう。
ニュージーランドの冒険家エリス・エメットが航行術を一から学び、船でしか行けない南太平洋の島々を訪れる。今回エメットが探検するのは、333の島群から成るフィジー共和国。人食いザメと恐れられるオオメジロザメの餌付けに挑戦し、先住民族による火渡りの儀式や、ヒンドゥー教の寺院で行われる祭りに参加するなど、フィジー諸島のさまざまな伝統文化に接触。そして、ラウ諸島では、身の毛もよだつ恐ろしい歴史を知る。
今回のエリスの目的地は、ウォリス・フトゥーナ諸島である。フランス領ではあるが、3つの地域に分かれ、それぞれに統轄する王がいる。緊張しながら、王様との謁見という人生初の体験をするエリス。だが、それ以上に彼の興味を引いたのは孤島で1人暮らす老人だった。自給自足の暮らしを目の当たりにし、エリスは羨望を覚える。こうした島民たちとの交流の傍ら、怪物伝説のある火山湖に潜り、第二次世界大戦の遺物を発見する。
マーシャル諸島に上陸したエリスは、第二次世界大戦の激戦地となったタラワ環礁で、戦争の遺跡や遺物を数多く目にし、楽園のような島々の過去に思いをはせる。だが歴史が残したものは、それだけではない。ビキニ環礁は、冷戦中に米国が原爆実験を行った場所だからである。真実を知らされないまま島を離れたビキニの先住民に会い、今も故郷に帰ることができない彼らの苦悩を知る。そして海に潜り、核実験の遺物を探検する。
海洋冒険の最後の目的地であるキリバスに上陸するエリス。しかし、その地で目にしたのは、地球温暖化による海面の上昇に苦しむ島民たちの現実だった。ある島の王様と親しくなったエリスは、昔ながらの帆走カヌーの修復を手伝い、島民らと海へこぎ出し、カヌーの操り方を教わる。それだけでなく、伝統的な踊りやウナギ漁なども体験し、固有文化を守ろうと心を砕く王の心情を知り、同じくキリバスの未来を案じるのだった。