神経科学と技術の進歩により、かつてのSF映画に描かれたような世界へと近づき始めている。その世界では、人工知能は人間と区別できないほど高性能になり、それどころか人間を超えるような存在になるかもしれない。それはシンギュラリティという新たな時代であり、人工知能が人間にとって脅威となるか、あるいは協力者となるか、その分かれ道となるだろう。最終的に人間は人工知能と融合し、新たな人類の形が生まれるかもしれない。
科学の発展は目覚ましい。遺伝子の研究が進んだおかげで人体の謎が徐々に解き明かされ、人間は昔よりも健康で長生きできるようになった。将来的には、現在行われているような方法で病気を治療するのではなく、遺伝子レベルで老化作用を治療する日が訪れるかもしれない。今よりもさらに長生きできるようになった未来では、社会の構造や、人の価値観さえも変わるだろう。多くの人が夢見てきた不老不死。やがて人類が行き着く先とは?
現実とは異なる仮想世界を体験できるバーチャル・リアリティー(VR)技術が今、著しい進化を遂げている。VRが作り出す世界はリアルさを増し、現実と仮想の境界線は曖昧に。人間はいずれ肉体を放棄し、仮想世界で一生を送るようになるとも言われる。VR技術の進歩の先にある未来とは? 人間は何を手に入れ、何を失うのだろうか。
一世代の間に、勉強の方法や仕事の仕方、意思を伝え自己表現する方法など、現代文化のあらゆる側面がインターネットによって変化してきた。常に人と繋がる環境により、我々のプライバシーに関する概念も影響を受けるだろう。そしてこのテクノロジーが変化を続ければ、人は完全にクラウドと接続した状態になるかもしれない。またそれがテレパシーへと発展すれば、地球外の文明との新しいコミュニケーション手段にもなりうるだろう。
エネルギーと資源を過剰に消費した人類は、地球に住み続けることができなくなり、いずれ別の場所への移住を余儀なくされるかもしれない。そうなった場合、移住先の惑星をテラフォーミング、つまり人間が住める環境に開拓する必要が出てくる。その結果、生態系に思わぬ影響を及ぼしかねない。このような人間中心のアプローチは正しいのだろうか? そして人類の他にも、似たような転換期を迎えた異星人がいる可能性はあるのだろうか?
好奇心に突き動かされ、未知の物事に挑んできた人類。その飽くなき探究心が、我々を新たな境地へとたどり着かせる。地球で数々の謎が解明されるにつれ、人間はいかに生物学的に適応し、深宇宙を目指すのだろうか? 未来の生活はかつての地球での暮らしと似ているのか、それともまったく新しい生活様式なのだろうか? 体験する現象や目に映る景色は、これまでサイエンス・フィクションで描かれてきた世界に、どの程度近いのだろうか?