南アフリカのダーバンにある贅沢なゴルフ施設に、ベルベットモンキーの群れ"パニ・トゥループ"が故郷のジャングルを捨ててやってきた。サルの楽園にたどり着いたかと思いきや、新しく過酷な環境に順応して生き抜く術を学ぶ苦労が待っていた。同じ霊長類の従兄弟にあたる人間と接することで、自分たちのことがよく分かってくる。しかし問題はマウント・エッジコムのゴルフ施設の人間だけではなかった。ライバルの群れ"シュガー・ギャング"が彼らの新しい縄張りに侵入し、横取りしようとしていたのだ。
発情期が始まった。男性ホルモンの分泌が最高潮に達し、オスたちは大きくなった男性器を群れのメスに見せびらかそうとする。フーズとダディなどはオス同士で見せ合っている。この群れのオスがどの程度強いかは、ブレインズが新顔のロビーとどう渡り合うかを見れば分かるだろう。群れには札付きのオス、タイソンもいる。数年間、群れには入らずに生きてきたが、一員になることに決めたのだ。だがタイソンのような大人の乱暴なサルにとっても、群れの中での権力争いをめぐる激しい戦いは、大変な危険を伴うのだ。
不良集団シュガー・ギャングがパニ・トゥループの縄張りを横取りしようと動き出した。ダーバンのマウント・エッジコムのゴルフ施設を舞台にした抗争は激しさを増す。パニ・トゥループのオスたちは、内部の権力争いをひとまず忘れ、メスたちとともに敵に立ち向かわねばならない。しかしシュガー・ギャングも今回は引き下がらない。衝突は街中でも繰り広げられ、徐々にパニ・トゥループの縄張りは敵の手に落ちていく。さらに自然災害が彼らの劣勢に追い打ちをかけ、パニ・トゥループの生活は崩壊してしまう。本拠地を追われた彼らは縄張りの北の端を目指す。そこでは別の群れとの戦いが待っていた。この戦いにも敗れ、ボスのブレインズは一か八かの行動に出た。群れを率いて、何が待ち受けるか分からぬ故郷へと進み出したのだ。
攻撃的なシュガー・ギャングに縄張りを追われ、不慣れな土地に入ったパニ・トゥループは、ゴルフ施設の外の世界がどんなものか思い知らされることになる。このエピソードは放浪する群れの姿を追っている。一方、マウント・エッジコムのゴルフ施設では、不作法なサトウキビ・ギャングに対し、人間たちが速くも怒りを募らせていた。人間とサルが共存するには、寛容さを繰り返し学ぶ必要がある。そのころパニ・トゥループは外の世界の暮らしと、幼いセーガンの死のショックに打ちひしがれ、シュガー・ギャングへの戦意を失いかけていた。パニ・トゥループは安住の地マウント・エッジコムに戻ることができるのか? それとも永遠に放浪し続けるのか?
パニ・トゥループにとって、つらい1年が過ぎた。故郷の森の中心を奪い取られ、マウント・エッジコムに築いた新しい縄張りも侵略された。ライバルのギャングによって放浪の身にされた彼らは、他の群れとの戦いにも敗れ、人間にも追い払われた。
ベスは息子ジョセフに試練を与えようとしていた。次のお産のために、息子との距離を保つことにしたのだ。しかしベスより下位のルーシーが先に今シーズン初の子供を産んでしまう。そのルーシーは他のサルに襲われ首に傷を負った。赤ん坊を狙って襲ってきたのかもしれない。近くをうろつくオスの仕業だろうか? 再び攻撃してくるのか?
ブレインズは群れのオスを従わせるために暴力をふるうようになり、暴君になりつつあった。特に中間のランクにいるミスター・ブラウンへの攻撃はやむことがない。ブラウンに残された道は戦うか逃げ出すかだ。しかしボスに立ち向かう度胸があるだろうか? ベスとブレインズが以前のようにパニ・トゥループを制御できなければ、群れは荒廃し外部から攻撃されることになる。新しい世代が生まれる前に、群れは立ち直ることができるだろうか?