海上で起きた殺人事件を追うカルステン・フォン・ヘスリンは、ネット上の動画から手がかりを探ろうとしていた。映っていた船の一隻が台湾籍だと判明したため、台湾へ渡る。その後、動画が投稿された場所であるフィジーに向かい、投稿者本人と接触を試みる。フィジーの港で聞き込みを続けるうち、動画に関する情報を持っているという漁師が見つかり、話を聞くことに。果たして事件の手がかりをつかめるのか。
問題の惨殺シーンをおさめた新たな動画が見つかり、調査は大きく進展。カルステンは仲間の協力を得ながら、目撃者の行方を追う。さらに、事件の背景や関係者の心理を探るため、各方面から聞き込みを開始。フィリピンでは、奴隷のように酷使された元漁船員の話を聞き、バングラデシュでは、難民の人身売買に手を染めていた男と対面。そしてついに、事件の目撃者である乗組員の居場所を突き止める。男の口から語られる真実とは?
フィリピン滞在中にさらに数人の目撃者が見つかり、カルステンは新たな証言を得る。また、動画に映っていた2隻目の船についても新たな事実が発覚した。立件を意気込むものの、殺人の動機がつかめずに焦るカルステン。手がかりを求めてセーシェルへ向かった彼を待ち受けていたのは、一部の漁業者が法をかいくぐり、乱獲を行っているらしいという事実だった。各国当局や国連組織をあざむく漁業者たちと、海での殺人との関係とは?
動画の殺人事件と国際的な麻薬密売の関わりを探るため、カルステンはケニアのモンバサへ。そこで麻薬の売人や密輸業者に話を聞くため、犯罪グループに接触する。そしてさらなる手がかりを求めてパキスタンへ向かったカルステンは、パキスタン人のヘロイン密売人から麻薬を隠すために船を改造しているという話を聞く。再びモンバサへ戻り、地元業者から情報を得て、ついに銃撃を行った船を指揮していた男の正体を突き止める。
海賊行為にかかわったという人物に会うため、カルステンはソマリアへ。そこで明らかになったのは、長期にわたって内戦に苦しめられてきたソマリアの漁師が、生活のために海賊行為に及んだという現実だった。その後会ったソマリアの漁業関係者に、事件の動画を見せて話を聞くうち、被害船がイランの船だった可能性が浮上。そして協力者の尽力により、被害船の持ち主だと名乗る人物がイランで見つかる。被害者の身元は判明するのか?
必要な情報がほぼ出そろい、カルステンはいよいよ殺人の責めを負うべき者たちとの直接対決に挑むことに。相手は、事件当時ピンシン101号で指揮を執っていた"暴漢"船長、その後同船が沈没した際に船長を務めていた台湾人の男、そして船の所有者の3人だ。しかし、いざカルステンが出向くと意外な事実が判明。ようやく会えた台湾の漁業関係者も、なぜか逃げ腰だった。法執行機関は捜査に向けて動き出すのか?