極東ロシアは長く厳しい冬で知られる。その凍った大地の王と言えば、間違いなくシベリアンタイガーだ。人の気配を嫌うこの動物は、乱獲によりすでに絶滅の危機にあり、野生には500頭しか生息していない。そのわずかな頭数が7万マイル(11万キロ)に及ぶ大自然の中に分布しているのだ。彼らは巧みなカモフラージュで、うまく身を隠すのでめったに目撃されることがない。ところが広大な極寒の森に入った研究者がシベリアンタイガーに襲われ、調査チームのメンバーも爪で攻撃されて頭に傷を負った。研究者が生死をさまよう間、調査チームは同じ地域での似た事件を分析する。しかし謎が深まるばかりだ。人の気配を嫌う動物が、なぜ突然現れて人間を襲ったのだろうか。本当の捕食者はトラなのか、それとも人間なのか。
シエラレオネにある野生動物の保護区で、3人の米国人観光客を乗せた車を巨大なチンパンジーが襲った。運転手を車から引きずり出すと、30匹の仲間を扇動して彼を殺し、観光客らにも重傷を負わせたのだ。チンパンジーたちは保護区から逃げ出すと人間の住むエリアに消えた。人間に最も近い動物がなぜこんな行動に出たのか。その謎を探るうち、残忍な攻撃の裏に隠された真実が明らかになる。彼らはペットとして虐待されていたのだ。
30年以上、ロシアのカムチャッカ半島でヒグマの研究を続けてきたヴィタリー・ニコラエンコがヒグマに襲われ死亡した。残された映像から、彼がクマの発する警告のサインを無視して常識を超えた接触を試みていたことが分かった。生の姿を記録するためか? それともクマと特別な信頼関係を築くためか? 彼がどうやってクマに近づいていったのか、それはなぜなのかを調査し、研究者が襲われる側になってしまった理由を探る。
南アフリカの低木地は、エコツーリストにとって夢のような所だ。多くの種類の野生動物が生息し、危険と恐れられる猛獣"ビッグファイブ"もいる。ライオン、ゾウ、アフリカスイギュウ、ヒョウ、そしてサイだ。そのサイに観光客のグループが襲われた。普段はおとなしいサイが攻撃してきた理由を探る。過去にも襲われた記録があるのだろうか。自然界のパパラッチと化した観光客たちが、サイに近づいて刺激を与えすぎたのだろうか?
インドネシアのコモド島で、少年がコモドオオトカゲに襲われて死亡した。全長270センチにもなるこのトカゲは腐食動物として知られ、自分の15倍もあるスイギュウを襲う凶暴性も秘めている。コモド島では密漁のために獲物が減少し、普段は襲わない動物を襲うケースが増えているのだ。村が襲われる可能性もあるのだろうか? 彼らの驚くほどの知能と知られざる能力を徹底調査し、なぜ人間が襲われたのかを解明する。
北極海に浮かぶノルウェーのスピッツベルゲン島で、白夜にハイキングを楽しんでいた女子学生2人が270キロもあるホッキョクグマに襲われた。牙と爪で深手を負いながらも険しい崖を飛び降りて九死に一生を得たが、同じ島でさらにクマの被害が続いた。やがて調査が開始され、ホッキョクグマを凶行に走らせた原因が明らかになる。被害者はクマの縄張りを犯し、複雑で繊細な世界を踏み荒らしたために襲われたと思われる。