アメリカの密造酒および違法な酒の闇市場を調査する。アメリカ南部で新世代の密造酒製造者たちが、高品質の密造酒を少量ずつ生産していた。密造酒は北や東方面に運ばれ、都市の闇市場で違法な酒を求める者たちへ売られる。ミシシッピ州では、酒類規制協会が辺境の地で安いコーンウイスキーを不衛生な環境で製造する密造酒製造を取り締まっている。ニューヨークでは、違法な露店商人が "ナットクラッカー"で荒稼ぎしていた。
自動車の盗難防止対策が進んだ背景には手口が巧妙化している実態がある。窃盗犯たちは協力し合ってでも車を盗む。麻薬を売るより儲かるからだ。カリフォルニア州サンタマリアでは、毎日3台の車が盗まれている。警察は盗難車を取り戻すよりも、犯人検挙に必死だ。その間にも、車は州外へ持っていかれ、解体業者の手に渡り、外国へ売られていく。西アフリカでは、アメリカで盗まれた高級車を高値で買い取る犯罪集団が登場した。
腎臓の違法取引をする闇市場は世界中で繁盛している。合法的な臓器提供だけでは、病を患って苦しむ多くの人々の希望を叶えられないからだ。そうした状況をにらみ、欲得ずくのブローカーと腐敗しきった医者が後ろ暗い地下組織を作り上げた。彼らは大儲けを企み、生活に困窮してドナーになりそうな弱者と移植を心から待ち望む人たちを探し出す。さまざまな事情からドナーへの道を選ぶ者、腎臓病で透析を受けている人たちを追った。
麻薬で不正に集められた多額の現金は、資金洗浄をするため、卸業者と輸送業者を経てアメリカからメキシコに渡る。麻薬密売組織が違法な金を銀行に移したい場合、メキシコに持ち込むしか道はない。この流れを止めるため、警察は隠れ家を捜索して大金を運搬する車を追う。国境の南側では、マネーロンダリングを行う人物が両替を利用して、麻薬による利益をペソに替えてフロント企業と偽の建設プロジェクトに投資していたのである。
ノースダコタ州ウィリストン。石油開発ブームにより、活気のなかったこの街に、多くの肉体労働者が集まってきた。しかし同時に裏社会を牛耳る人間たちもやってきた。ギャングたちはバーや風俗店を食い物にし、売春がはびこる。しかしやがて石油ブームに陰りが見えはじめると、職を失った石油労働者たちは裏社会で犯罪に手を染めていく。ドラッグがらみの犯罪率は78パーセントも上昇し、ウィリストンの街に犯罪が蔓延していく。
欲望が渦巻くギャンブルの街、ラスベガス。桁外れの大金が集まるこの地には、強盗、詐欺師、売春婦やマフィアたちもアメリカ中から集まって来る。犯罪者たちは時に命の危険を感じながらも、スリルと札束を前に犯罪行為を思いとどまることはない。彼らが監視の目をかいくぐる、巧みな犯罪の手口を語る。一方でカジノ側も大規模な警備態勢を敷き、防犯カメラを駆使して日々取り締まりを強化している。そして緊迫した演習にも迫る。
アメリカ経済に年間300億ドルとも言われる損失をもたらしている闇市場。不正に入手したスマートフォンや銃など、その販売先の多くは南米だ。南米ではこれらの商品に対する需要が非常に高く、一般市民の手にも日常的に渡っている。今回は、貨物や倉庫強盗、携帯電話のひったくりなどの手口を暴くと共に、流通を手助けする仲介人の存在にも注目。一方、流通経路を絶つために、取り締まりを強化する当局や専門家にも話を聞く。