マイクは友人のメイスとポールとでメキシコ沖へボートで出かけたが、ボートが故障する。幸い麻薬業者のフランクとダンと出会い、密売に協力することを条件にフランクのボートに便乗しアメリカへ帰国することにする。しかしボートは遭難。メキシコ本土に漂着した5人は逮捕され、罪状も知らないまま刑務所へ収容される。彼らは脱獄を決意するが、順調には進まない。過酷な条件のもと、彼らが塀の外へ出られる日はくるのだろうか。
イギリス人のショーンはアリゾナ州で働く多忙な株式仲買人だった。ある日、仕事のストレスを発散しに訪れたクラブで“エクスタシー”を入手。ドラッグの需要にビジネスの可能性を感じたショーンは会社を辞め、ドラッグの密売人となった。レイブ・パーティーを主催してはエクスタシーを大量に販売し、富を得たショーンは優雅な暮らしを送り始める。しかし売人に転落したショーンを待っていたのは、想像を絶する恐ろしい世界だった。
トム・クラッチフィールドは、爬虫類の愛好家。余暇にはペットのヘビの世話を楽しむ。あるとき彼は妻とバハマへ行き、捕まえたヘビを手荷物に入れアメリカへ持ち帰る。彼らは税関を簡単に通過できたことに気を大きくして、外国で爬虫類を捕獲してアメリカで販売する仕事を始める。商売が順調に発展するなか、米国魚類野生生物局の捜査官アーネスト・マイヤーに逮捕される。夫婦は起訴を逃れるため中米のベリーズへ逃亡する。
1960年代、アメリカ人のエディは仲間とつるんではドラッグのLSDを常用するヒッピー生活を送っていた。やがて仲間と共にマリファナの密売を始め、違法な手段で富を得る。エディはハワイで優雅に暮らし始めたが、新しくできた恋人の影響からコカインの密売に手を出すことに。しかしその後、買い付けに訪れたペルーで仲間もろとも逮捕されてしまう。そこに待ち受けていたのは最悪の監獄生活だった。エディたちは脱獄を企てる。
1965年、CIAのパイロットでタイ在住のアーニー・ブレイスは、ラオスの基地へ物資を運んでいたところ、着陸時に銃撃されて捕虜となった。密林で檻に入れられた彼は脱走を試みるが失敗する。一方で、1967年、海軍少佐のジョン・マケインは作戦のさなか敵軍に捕らわれ、ハノイの捕虜収容所へ連行された。後日ブレイスが、マケインの隣りの独房に収容されてくると、彼らは互いに顔を知らないまま壁越しに会話を交わすようになる。
1978年、シカゴのマフィア“シカゴ・アウトフィット”の一員であるフランク・クロッタは、新たな勢力圏を求めてラスベガスへやってきた。彼の組織は当時のラスベガスを牛耳っていたのだ。フランク率いる窃盗団は、壁に穴を開けて家に侵入する手口で数々の窃盗を働いた。やがてフランクは組織犯罪の検挙を図るFBIに行動を監視され始める。FBIの真の狙いは、マフィアの中心人物を検挙するために彼を証人にすることだった。
2004年、ロイはイラクに在住しアメリカ軍を支援する民間会社に勤めていた。ある日職場に武装した強盗が侵入。ロイは同僚のロバートと共に誘拐される。犯人グループはアメリカ人の彼らを人質に、身代金1200万ドルを要求した。目的の金が手に入らなければ人質をアルカイダに売りかねない。ロイが勤める会社も全額は負担できず、妻のスーザンは途方に暮れる。米国大使館のダンとFBI捜査官のトムは組織の総力をあげて救出に乗り出す。
ワシントン州に住む19歳の少年リック・シーダーは車の愛好者で、改造車に乗り、違法なストリートレースにも興じていた。恋人の妊娠で金が必要になったリックは、軽い気持ちで車上荒らしやネットオークションを使った詐欺に手を染め始める。だがある日、騙された客が逆上して訪ねてきた。「家族を殺す」と脅迫されたリックは、騙し取った金を返済する方法として車の窃盗を思いつく。しかしその計画は警察に筒抜けになっていた。
1964年、オックスフォード大学の学生だったハワードは、友人の誘いでマリファナに夢中になった。大麻を密輸していたその友人が逮捕され、ハワードが友人の代行をしたことがきっかけで、彼はヨーロッパからアメリカへの大麻の密輸業を始めた。ネパールやタイ、パキスタンなどにも仕入れのツテができて商売は安定し、スペインで家庭生活を楽しんでいたが、いつしかアメリカへ密輸入される大麻の多くを彼の商品が占めるようになる。
1979年11月4日、イランでアメリカ大使館がデモ隊に占拠され、52人が人質にとられる事件が起こった。混乱の最中に大使館から密かに脱出した6人の職員は、その後、カナダ大使館員の下で匿われていた。彼らの救出に乗り出したCIA職員のトニー・メンデスは、奇想天外な作戦を思いつく。それは、架空のハリウッド映画「アルゴ」の企画をでっち上げ、その製作スタッフを装って6人をイランから出国させるというものだった。