オーストラリア中央部に生息する地球最大の有袋動物、アカカンガルー。ある母子を通して、灼熱の砂漠で生きる彼らの知恵を知る。例えば後ろ足で跳ねて移動することは体力消費を抑える巧みな方法だ。砂漠にはイースタンブラウンスネークやペレンティモニターなどの爬虫類も多い。また、腹部に蜜を蓄えるミツツボアリ、巨大な群れで飛ぶセキセイインコ、それを狙うハヤブサなど、過酷な環境に見事に適応した動物たちが暮らしている。
オーストラリア北東部に広がる熱帯雨林は自然の宝庫だ。古代から変わらぬ姿をとどめ、いまだ多くの謎が残されている。そこには多種多様な動物たちが生息している。沿岸には美しいグレート・バリア・リーフがあり、色彩豊かな魚たちの姿が見られる。木の上で生活するカンガルーや巨大で希少なヒクイドリ、世界最大級のイリエワニはどのように暮らしているのだろうか。彼らの驚きの生態を目の当たりにする。
オーストラリア南部の平原に生息するウォンバットは1日の大半を眠って過ごしているようだが、それは暑さを避け体力を温存する賢い方法だ。だが近年は繁殖力が強く食欲旺盛なウサギや毒性植物といった外来種に脅かされている。同じ平原には他にも毒針を持つブルドッグアリ、鮮やかなオウム、獰猛なディンゴなどが暮らしている。彼らにとって最大の脅威は自分たちを取り巻く環境そのもの。夏が近づくにつれ暑さが厳しさを増すのだ。
オーストラリア東部のユーカリの森にはコアラが生息している。かわいくて愛らしい姿や一日中寝ていることで有名だが、繁殖期になると、そこからは想像もつかないまったく違った一面を見せる。オスは大きな鳴き声を上げ、メスを追いかける。そしてユーカリの森にはコアラだけではなく、オーストラリア特有の変わった動物が数多く棲んでいる。カモノハシ、ウォンバット、ハリモグラや巨大なコウモリなどの生態に迫る。