最果ての島々、ヘブリディーズ諸島の秋。独り立ちの時期を迎えたツバメやカワウソ、ハイイロアザラシの子供たちにとっては、荒々しい気候を生き抜くことが最初の試練である。また、アイラ島には越冬のため、オオハクチョウや何千羽ものカオジロガンといった渡り鳥もやってくる。ラム島ではアカシカのオスによるメスの奪い合いが始まる。アイラ島では毎年恒例のヒツジの競りも行われる。
最果ての島々、ヘブリディーズ諸島。厳しい冬が終わり、春が近づく。タイリー島では野ウサギたちが恋のさや当てを始める。しかしかつてないほど激しい春の嵐でオジロワシやシロビタイジョウビタキ、マツテンなどは子供のエサを見つけることもままならない。ゼニガタアザラシは出産の時期を迎える。温かくなった海では、チューブワームやクラゲ、ウバザメの姿が見られる。
最果ての島々、ヘブリディーズ諸島に短い夏がやってくる。大西洋に面したアウター・ヘブリディーズの島々はヨーロッパ随一の鳥の楽園だ。子育てに励むツノメドリや渡り鳥のホンケワタガモはトウゾクカモメに狙われる。ウイスト島の太平洋側、花が咲き誇る草地には、ヒバリ、タゲリ、アカアシシギ、ミヤコドリが集う。ハリス島では雨が少なくアトランティックサーモンの遡上に影響が出る。そして秋。渡り鳥は再び旅立って行く。
最果ての島々、ヘブリディーズ諸島。過酷な大自然の中、野生動物と共存する人々の暮らしに迫る。スコットランド本土とスカイ島を結ぶフェリーから見られるオジロワシの姿は観光客に人気だ。昔ながらの農業を続け、自然と共に歩む人もいる。保護が必要なベニハシガラスやウズラクイナ。ミツバチを守る人、ウバザメの研究者。島々での暮らしは動物と持ちつ持たれつ、人間も自然の一部だということを感じさせる。