考古学的調査によって発見された約3000年前の女性の頭蓋骨が、我々の法医学チームの手に委ねられた。この女性が生きたのは鉄器時代、旧約聖書に登場する怪力の男サムソンと、彼を裏切った恋人デリラの時代だ。考古学者・科学者・法医人類学者から成る調査チームによって収集された情報を基に、復顔技術者はこのペリシテ人の女性の顔を再現するという、またとない機会に挑む。
考古学者がイスラエルの古代の村を発掘中に、土器の壺に入った幼児の遺骨を家屋の跡地から発見した。この子はなぜ床下に埋葬されたのか。悲しみにくれる母親が、亡くした子供を近くに置くためか。それとも神の怒りを鎮めるため、いけにえにされたのか。考古学者・科学者・法医人類学者から成る調査チームが人類のいけにえの歴史を探り、得られた情報を基に復顔技術者がこの謎に包まれた子供の顔の再現を試みる。
社会が遊牧中心の生活から村に定住する農耕中心の生活に移行し始めていた時代、ある長生きした男が、人里離れた砂漠の洞窟に葬られた。死者の周りには壊れた弓や石のナイフ、杖や革のサンダルなどゆかりの品々が置かれ、それらは血を思わせる赤土で着色されていた。この男は戦士だったのか。それともハンターか。6000年の時を経て、男の生き様と最期の瞬間を迎えた時の顔を考古学者・法医学者チームが再構築する。
イエス・キリストが宣教活動を行った土地、ガリラヤで貴重な発見があった。死者の眠る洞窟の中に、紀元1世紀頃に広く行われていた独特の慣習に従ってある男の遺骨が葬られていたのだ。男はキリストの存命中に生きていた可能性がある。調査チームはガリラヤ地方の辺ぴな村々や、湖畔に建つ最古のユダヤ教の礼拝堂を訪ね歩き、男の人生をあぶり出していく。そして得られた情報に基づき、復顔技術者が男の顔の再現に挑む。