「ペットボトル船で太平洋横断」で、実際にペットボトルの船を造りサンフランシスコからシドニーまでを横断したプロジェクトのリーダー、
デイビッド・デ・ロスチャイルド氏が、今回日本の視聴者に向けて、特別にインタビューに答えてくれました。
Q:ペットボトルで船を作って海を渡ろうと思い立ったきっかけは何でしたか?
A: |
"ゴミを資源として見直してほしい"・・・それが、プラスティキ号を造るという考えに至った私の思いです。
人間の知識と技術を持てば、今私たちが抱えているゴミ問題の解決策は見つかると思っています。 |
Q:プラスティキ号の航海で最も困難を極めたことは何ですか?
A: |
この航海ではたくさんの困難がありました。
シドニー湾につくまでは、本当にこの航海を無事にやり遂げることができるのか不安で、最悪の状況についても考えていたほどです。
時間、暑さ、精神的にも辛いことはありましたし、船上には限られた飲み水や、食べ物しかありませんでした。
しかし、この4か月、海で過ごした時間はとても素晴らしく、地球と、その中にいる自分と向き合うことができ、
この航海を通して大自然が私たちに伝えるメッセージを受け取ることができました。 |
Q:現在、ロスチャイルドさんが取り組まれている活動について教えてください。
A: |
冒険や物語を通じて環境問題を訴えるため、僕たちは新しい団体を立ち上げました。
森林保護のプロジェクトもスタートします。2011年6月4日から1年間かけて動かす大型プロジェクトです。
今年は国際森林年なので海と同じく危機に直面する森林の生態系に焦点を当てます。 |
Q:資源やエネルギー保全/保護についての、ロスチャイルドさんご自身のご意見をお聞かせください。
A: |
知恵を出し合うのが一番だとこの航海で学びました。
みんなが結束して取り組めば、震災復興だけでなく人類に共通する環境問題も解決できるはずです。
自然は消費財ではなく、僕たちの生命の源なのです。 |
Q:プラスティキ号の航海を通して、ナショジオ視聴者に伝えたいことは何ですか?
A: |
プラスティキ号は2010年3月に出港し4ヵ月の航海を行いました。
自然界に存在しないゴミが今では海にあふれていて、毎年多くの海鳥や海洋哺乳類の命を奪っています。
海洋汚染は動物たちだけの問題ではありません。環境破壊は僕らの健康も脅かします。
魚が食べたプラスチックが人間の口に入るかもしれません。 |
Q:日本に来たことはありますか?何が魅力的だと思いましたか?
A: |
日本には撮影で訪れたことがあります。築地の魚市場にも行ったことがあるんですよ。
日本では、あらゆるところで、リサイクルや省エネが徹底されていることに感心しました。 |
Q:例えば北海道から沖縄までをペットボトル船で渡るなど、日本での航海の予定はありますか?
A: |
僕としては、ぜひ日本へ行ってセーリングしたいです。
森林プロジェクトが忙しいのですぐには無理でしょうが、これから機会はたくさんあると思います。
何しろ地球の表面は7割が海ですからね。だから海は大切なんです。 |