ユナイテッド航空811便がホノルルを離陸直後に発生した、ドアロック解除による事故。貨物室のドアが開いて吹き飛ばされたことで747の機体に巨大な穴があき、9名の乗客を含む5列分の座席が機外へと放り出される。このエピソードでは、設計上の欠陥があると知りながら修理を先延ばしにすることが、恐ろしい結果をもたらすまでの過程を調査する。
アメリカン航空1420便MD-82は、雷雨により2時間遅れでダラスフォートワース空港をリトルロック空港に向けて出発。アメリカン航空の運航管理者は、エアライン・スケジュールを守るため、嵐よりも先にリトルロックに着かせようと「到着を早めるよう」乗務員に告げる。飛行距離は短く、レーダーの気象データは、運航管理者が「ボウリングのレーン」と呼ぶようにはっきりとしたコリドー(ルート)を示している。そのルートを通れば1420便は目的地まで行き着けるはず―。機長のリチャード・ブッシュマンと副操縦士のマイケル・オリゲルは、嵐とのレースに打ち勝つ覚悟を決める。リトルロックから1,600キロメートル、1420便が降下するにつれ猛烈な雷雨が空港に接近、それに伴い風向きも危険なまでに定まらなくなる。果たしてレースの結果はいかに。
スイス航空111便のパイロットは、離陸から1時間もしないうちにコックピットで煙の臭いに気づく。ただちに、燃料を捨て着陸するための時間との競争が始まる。数分後、火災と、電気系統の機能が完全に停止したことが引き金となり、MD-11は大西洋に墜落、229名の乗客と乗務員は全員死亡。このエピソードでは火災の原因を探り、火の手が機体を激しく損傷し、瞬く間に広まった理由を問う。
アラスカ航空261便がプエルトバジャルタを離陸してまもなく、飛行中に機体の角度を調整する水平安定板が誤作動を起こす。パイロットは、垂直降下する機体を必死に制御しようとするが、機体は横転し海に急降下。88名の乗客と乗務員が死亡する。このエピソードでは、整備上の過失が致命的な墜落事故につながるまでの経緯を伝える。
夜、ペルー航空603便がリマから離陸するにつれ、対気速度計と高度計が誤作動していると見た乗務員は、計器だけで飛行、惨事へと至る。一方、航空交通官制塔では、機体のコンピューターから誤った表示度数を受け取っていた。757の機体は太平洋に墜落、70名全員が死亡。このエピソードでは、コンピューターの誤作動の原因を突き止めて、その不幸な結末を明らかにする。
ある暖かな晩、エアートランサットのベテラン運航乗務員が操縦するエアバスA-330のジェット旅客機が、ポルトガルのリスボンに向けてトロントを発つ。だが、このフライトが目的地に到着することはなかった。大型の民間営業用ジェット機において、燃料切れは致命的なトラブル。一番近い陸地から85海里の地点でそんな事態が発生すれば、大惨事になる可能性も。このエピソードでは、安全装置があるにも関わらず燃料切れを防がなければならない現代の旅客機で、こういった状況が起こりうる経緯を浮き彫りにする。