グランドフィナーレ
土星探査機「カッシーニ」は、「グランドフィナーレ」と名付けられた最後のミッションを遂行している。カッシーニは22回にわたって、土星本体と環の最も内側の間に広がる幅2400kmの隙間に飛び込むような軌道を飛行し、貴重なデータを収集。そして、2017年9月15日に土星大気に突入し、自ら燃え尽き、ミッションを終了した。番組では、土星大気突入前までの様子に密着。
土星
太陽系で2番目に大きな惑星、土星。輪を描いている様に見える、巨大な環は誰もが一度は見たことがあるだろう。土星の独特なルックに、昔から人類は惹かれ、不思議に思ってきた。なんと、ガリレオ・ガリレイの時代から観察されていたらしいのだから、驚きだ。環に見られる黒い模様や、土星の表面に浮かび上がる白斑と呼ばれる模様など、まだまだ未解明なことだらけ。観測写真を見ているだけでも美しく、神秘的な雰囲気のある土星。その探査に何役も買っているカッシーニという探査機が存在しているのは、ご存じだろうか?
カッシーニ
1997年に打ち上げられたNASAの土星探査機「カッシーニ」は2004年に土星の周回探査を開始。
13年間で土星本体はもちろんのこと、魅力的な環や多種多様な衛星について繰り返し観測を行い、数多くの知見をもたらしてくれた探査機だ。今までの活躍で、土星の環の起源が約45億年前まで遡れる可能性(太陽系誕生の頃に近いと言われている)があることなどが、明らかになっている。しかしカッシーニの燃料が尽きて制御不能になってしまうと、探査機が衛星に衝突する可能性が小さいながらもある。とくに、氷火山の存在が確認され、常に氷が供給されているであろう衛星エンケラドスやメタンの海が存在する衛星タイタンは生命(もしくは原始的生命)が存在できる環境であり、そこを汚染することは避けたい。こうしたリスクをなくすため、カッシーニは2017年9月15日に土星大気に突入、自ら燃え尽きミッションを終了することとなったのだ。それまでにカッシーニは、「グランドフィナーレ」と名付けられた最後のミッションを遂行。カッシーニは22回にわたって、土星本体と環の最も内側の間に広がる幅2400kmの隙間に飛び込むような軌道を飛行している。