国際都市香港の静かな村にあるタトタク小学校。今は不気味な廃墟と化したこの学校には、たくさんの幽霊話がある。その真実を探るRJは、新界にあるこの村全体に暗い過去が隠されているのではないかと考える。村の歴史を紐解くと、そこには19世紀の終わりに英国との間に起きた、語られない戦争の事実があった。この小さな村で、どうして戦争が起きたのか。そして、その戦争はなぜ忘れ去られてしまったのか。
インドネシア。昔より精霊を崇拝するこの国では、多くの人々が神や霊や悪魔を信じ、超常現象は大衆文化に溶け込んでいる。中でも、ジャワ島のスマランにある歴史的建物、ラワン・セウには、様々な霊が集まっていると言われていた。この建物にまつわる過去を調べたRJは、次々に外国の権力に支配され従属を強いられた、植民地時代の人々の苦しみを知る。そこには、独立を夢見たインドネシアの人々の戦いがあった。
米空軍基地がある町、沖縄島の嘉手納。米軍の居住区にある1軒の家は、心霊スポットとして有名だった。そこには、かつて殺人が起きたといううわさや、サムライの霊がさまよっているといううわさがあった。この家には、どんな恐ろしい過去が隠されているのか。やがて真実を探るRJは、沖縄島全体を暗く覆う、過去の出来事を知る。それは第二次世界大戦の終わりに起きた、あまりにも痛ましい事実だった。
フィリピンの都市、アンヘレス。かつてこの街にはクラーク空軍基地があり、米軍が駐留していた。基地には幽霊話が多かったが、特に病院で多くの幽霊が目撃されていた。ベトナム戦争中、米軍の負傷兵を治療するために建てられたクラーク病院。ここに幽霊話が多いのは、ベトナム戦争と関係があるのか?調査が進むにつれ、ベトナム戦争が生んだ、恐ろしい幽霊の姿が浮かび上がる。さらに、基地にとりついている過去はベトナム戦争だけではなかった。
台湾の南東に位置する緑島。調査は、ホテルの支配人が遭遇したという幽霊の話から始まった。ある洞くつで金塊探しをしていた男たちが人の骨を見つけ、作業を手伝っていた支配人が、洞くつで幽霊に遭遇したという。ロバートは、洞くつにまつわる過去を調べ、緑島がかつて流刑地であり、政治犯が捕らえられていた時代があったことを知る。政治犯たちはどんな罪を犯したのか。さらに調査を続けるうちに、今も多くの人々が語ることを避ける、台湾の暗い過去が明らかになる。
韓国の東海岸、盈徳の静かな漁村。この村には、幽霊屋敷として韓国中に知られる廃屋がある。海を見下ろす丘に立つ、盈徳ハウスだ。RJは、この家の過去の住人に悲劇的な出来事があったのではないかと調査を始めるが、それらしき事実は出てこない。一度は壁に突き当たったRJだが、本当の悲劇は盈徳ハウスではなく、家が立つ丘で起きていたことを突き止める。1950年、この丘で起きた戦闘で若い命が失われ、歴史に忘れ去られていたのだ。
マレーシアのペナン島。第二次世界大戦時、英国軍が日本軍に明け渡した要塞跡は、現在、戦争博物館になっている。そこには刀を持った、日本兵の幽霊が出るという。真相を探りに博物館を訪れたRJは、占領時代に住民の首を斬ることで恐れられた、日本人の憲兵隊長の存在を知る。だが彼は、当時の日本軍の残忍な統治を象徴する存在にすぎなかった。マレー半島で日本軍が組織的に行った残酷な行為が明らかになる。
タイのかつての首都アユタヤは、14~18世紀の間、隆盛を誇ったアユタヤ王朝の下、東南アジアの貿易の中心地として栄えた。この都市の遺跡には、幽霊が出るという。それは宝を守る霊だと考えられていた。多くの幽霊話の中で、RJが調査に乗り出した寺院の物語には、15世紀のアユタヤの王の財宝が絡んでいた。500年もの間、封印されていた王家の財宝とはどんなものだったのか、そして財宝に何が起きたのか。人々が今も信じる、王家の財宝の呪いとは何だったのだろうか。
ベトナムのコンダオ。1975年まで人々が近寄ることを禁じられていた島だが、現在は観光地として人気を集めている。しかし一方で、"幽霊の楽園"とも呼ぶ人々もいる。調査を始めたRJは、この島がフランスの植民地時代、流刑地だったことを知る。島には囚人たちの魂がさまようと信じられていた。フランスからの独立を求める戦争、そして国を二分する内乱を経験したベトナム。これらの時代、島の収容所では一体、何が起きていたのだろうか。
インド西部の小島ディウ。この島には海にまつわる幽霊話が多い。その中に、海を見下ろす要塞に幽霊が出るという話があった。この要塞は16世紀、島を植民地として支配していたポルトガルが建てたものだ。RJは、当時のポルトガルの統治が幽霊話の基ではないかと考えるが、調査は壁に突き当たる。やがて彼は、島を取り囲む"海"そのものに目を向ける。島民の生活と密接につながっている海に幽霊が出ると信じられているのはどうしてなのか。