ハイテクのルーツ3

原題:Engineering Connections 3

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「 巨大タンカーの驚愕テクノロジー (Super Tanker) 」

リチャード・ハモンドが、世界で最も危険な貨物を巨大なタンカーで輸送するために必要なテクノロジーに迫る。タイタニック号より大きなその船内には、ロンドンの街ほどある広さをおよそ一週間の間暖める燃料を搭載している。そのエネルギーは、広島原爆の55倍に匹敵する。貨物は、南極で記録された最低気温の2倍も低いマイナス162℃に冷やされるが、これは普通の鋼鉄なら粉々に壊れてしまうほどの超低温だ。液体の貨物は、中で揺れると船を転覆させる可能性がある。この巨大なハイテク船体を前進させるために用いるのは、2000年前からあり今も強烈な威力を持つ技術だ。それをリチャードは実験で目の当たりにする。一歩間違えば大爆発を起こしかねないタンカーを効率的かつ安全に運行するためには、カトラリー、空中での燃料補給、消防車、そして進化論の父チャールズ・ダーウィンも観察した沸点と気圧の関係の原理に関係したエンジニアリングが必要とされるのだ。

「 地震に強い橋 (Earthquake Bridge) 」

リチャード・ハモンドが世界でも有数な長い橋の耐震技術に迫る。ギリシャの水深65メートルもあるコリント湾に全長2.5キロメートルの橋を建設するのは簡単なことだった。だが、橋はヨーロッパでも有数の地震多発地帯をまたぐのだ。橋を地震から守るには、転倒防止のため海底の軟らかい泥が液状化するのを防ぎ、またちょっとした揺れが大きな衝撃を引き起こした場合に、デッキ部分が曲がったり橋脚にぶつかったりしないような対策が必要だ。リチャードは数々の特殊な地震発生装置を使った実験を実際に行い、橋が崩壊しないように取り入れられた非常に巧妙かつユニークな構造の原理を検証する。例えばその一つが世界で最も大きな緩衝器。これは実際に2008年6月に起きたマグニチュード6.5の地震の際にも安全性を証明した。しかし地震対策にばかり気をとられると、他の自然災害、例えばコリント湾の狭い海峡を吹き抜ける強風や、ほんの少しの風雨に対してもまさかと思うほど無防備になってしまう。そうした問題には、匂いの良いインドのお香や、炭酸飲料の缶のリングプル、そり、ハンモック、スチール製の煙突などに着想を得た解決策が用いられた。その結果、2004年のアテネ・オリンピック開幕になんとか間に合い、陸路では400キロも離れているが海を渡ればわずか2キロの2つの街をつなげる橋が完成し、100年来の夢が実現されたのだ。

「 スペースシャトルの驚くべき技術 (Space Shuttle) 」

リチャード・ハモンドが世界初の再使用型宇宙機のルーツに迫る。スペースシャトルに対してのNASA(米航空宇宙局)の驚異的なハイテク技術。彼はフロリダのケネディ宇宙センターの舞台裏に潜入し、人間が作り上げた中で最も高度な科学技術の集大成であるこの宇宙船が、教会のオルガンのポンプ(空気を送るふいご)や、路面電車の線路、第二次世界大戦で使われた音波探知防御装置、カメラの絞り、それに大砲の砲弾がなければ作れなかったことを発見する。シャトルは3700万馬力の推力を生み出すメインエンジンによって地球の上空650キロメートルの高さにまで達するが、発射の際にエンジンの燃焼によって生じる3300℃を超える高温を、低温の液体水素(マイナス253℃)を使って冷やすことでシャトル本体を保護する方法をリチャードが実験する。そしてこの方法を使って、アイスクリームで作ったやかんでお湯をわかすことに成功する。また一般の台所で使われるアルミホイルと同じアルミが、固形ロケット燃料に果たす役割や、燃料を広い範囲でより早く燃焼させることによってロケットのスピードを増す方法を説明する。まったく同じ2台のロケットを、燃料を燃やす速さを変えて競争させることで、どうやってNASAが発射時の速度を最大化させたかが分かる。さらに発射台に備え付けられたシャワーが20秒間に100万リットルの水を散布し発射台を水浸しにすることで、発射時の轟音でシャトル自体が壊れるのを防いでいることを学ぶ。宇宙空間で100万ドル(およそ1億円)のペイロードを見失わないために、カメラのレンズを閉じる仕組みが使われている。またオービターや宇宙飛行士を次のミッションに向けて安全に帰還させるには、大砲の砲弾の空気力学(これは超音速空洞で実験する)や、発泡体でできた特殊な耐熱タイルが必要なのだ。

「 高性能F1カー (Formula 1 Car) 」

リチャード・ハモンドがF1カーの華やかな外見の裏に隠された驚異のハイテクのルーツに迫る。この800馬力のレーシングカーの最高峰は、設計と製造に数百万ポンドかかり、動かすまでだけにも大勢の人手を要する。しかしその目的は一つ。それはとある日曜日にサーキットを2時間で可能なかぎり速く走ることだ。よりスピードを上げるには、より性能の高いエンジンが必要だが、それは大砲から着想を得ている。またF1ほどのスピードが出るとタイヤが地面から浮き上がらないようにするのは至難の業だが、それを防ぐため技術者たちは古代の船乗りが使った「大三角帆」を参考にする。さらにリチャードは鍛冶工場を訪れ、極めて引火性の高い金属を使って丈夫で軽いホイールを作る技術のルーツが、古代の刀剣の作り方であることを知る。ロールスロイス社が開発した航空機エンジンのファンブレード用の新素材のおかげで、F1カーも軽量かつ丈夫で安全になった。また防弾チョッキに使われる特殊な糸が、F1カーが高速で衝突した際にも燃料が漏れないようにするのに役立っている。

「 超高級ホテル:ブルジュ・アル・アラブ (Burj Al Arab) 」

リチャード・ハモンドが世界でも有数の超高層でユニークな形のホテル、高さ321メートルのブルジュ・アル・アラブ、別名アラブタワーの秘密を探る。砂浜から300メートルほど離れた専用の人工島にそびえ立つ、船の帆を模した建物はすでに世界で最も目立つ建物の一つとなり、ペルシャ湾岸のドバイの象徴だ。金箔と大理石がふんだんに使われた建物の裏側には驚くべき技術が隠されている。ゲーム・ジャックスのコマからヒントを得た防波堤は、何の力にも頼らずに波のエネルギーを吸収する。中心を外れて奇妙な回り方をするエンジンのカムの技術で、砂漠の猛暑を克服できる。豪華な電気設備の制御は、建物の安全性を脅かしかねないことだった。19世紀フランスの炭鉱で使われていた技術、つまりエアロックなしには砂漠に立つ高層ホテルの空気調節は不可能だった。そして消防ホースのデザインが革新的に変化したことで、壮大でまるでガラスのように滑らかな噴水が実現できたのだ。

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