ワイルド・ロシア 雄大な自然と動物たち

原題:Wild Russia

※実際に放送される順番とは異なる場合がございます。また、全てのエピソードが放送されない場合がございます。
放送日時に関しましては、番組表及び、番組ページ放送予定欄をご確認ください。

「 シベリアのジャコウジカ (Siberia) 」

シベリアと言えば厳しい寒さの代名詞だが、40度まで気温が上がる地域もある。ヤクーチア地方の森にはカンガルーのような顔に吸血鬼のような歯を持つジャコウジカが生息している。このシカには歯以外にも特徴がある。オスジカがメスジカのみならず、香水メーカーまでも強く引きつける匂いを分泌するのだ。またシベリアにしか生息していないソデグロヅルもいる。その数はわずかに3500羽だ。シベリアの気温が上昇し、絶滅の危機に瀕する両生類のひとつ、キタサンショウウオが冬の寒さから解放された。このサンショウウオの血液成分は特異で、そのためにマイナス40度の気温でも耐えられる。凍った大地で何年も生き延びることができ、暖かくなると凍っていた体が溶けて再び活動を始めるのだ。シベリア南部の大草原では風景が劇的に変化し、野生の馬のほか、ラクダの小さな群れや珍しいガゼルが見られるようになった。アルタイ山脈には山の王として君臨する世界一大きな羊アルガリが暮らし、バイカル湖には世界で唯一淡水に生息するアザラシがいる。

「 北極圏の王者 (Arctic) 」

世界の屋根、文明の最北端と呼ばれるロシアの北極圏では過酷な温度と天候が人を寄せ付けない。しかしホッキョクグマにとっては安息の地で、ウランゲリ島、ヘラルド島には妊娠中のメスグマが500頭もねぐらを作って暮らしている。ウランゲリ島は世界一多くのセイウチが集まる島としても有名だ。彼らの中の1頭が、幸運に恵まれたクマたちのご馳走となる。8月の終わりには、屈強なジャコウウシの雄牛が、交尾をめぐる戦いのために集まってくる。どの雄牛も体重400キロの巨体でありながら、時速40キロのスピードで走り、角と角がぶつかる音は1キロ離れた場所からでも聞こえる。今年はクビワレミングの個体数が激減し、他の動物へも大きな影響を与えている。ホッキョクギツネは子供のエサを見つけるのに苦労し、シロフクロウはヒナが栄養失調で弱っていくのを見守るだけだ。ロシアの北極圏では、身を切るような寒さと、猛烈な嵐が自然界の過酷なルールを決める。

「 カムチャツカ半島のヒグマたち (Kamchatka) 」

極東ロシアのカムチャッカ半島は火と氷で織りなされた壮大な風景で知られる。溶岩が真っ赤に燃える火山が、この地域の創造と破壊のサイクルを支配している。地熱の変化の大きさでは世界屈指で、多くの死火山や休火山に囲まれて29以上の活火山が活動している。ヒグマはタンパク質豊富なサケにありつこうと産卵時期を待ち、オオワシやイヌワシは魚を求めて氷の穴を奪い合う。クズリやアカギツネは死肉をめぐって争い、カラフトライチョウのような他では見られない鳥たちがヒナを育てる。これらの珍しい動物たちは、短い夏と長く冷たい冬という過酷な環境の中で生き続けているのだ。

「 カフカース山脈のバイソン (The Great Divide) 」

ヨーロッパとアジアの間、黒海とカスピ海の間に、空に向けてそびえる5千メートル級の山がある。それは大陸を分断しつつ西から東に千キロも延び、人を寄せ付けぬ広大な山岳地帯には手つかずの自然が残っている。2つの山の斜面はそれぞれまったく違う表情を持っている。片方には大量の雨によって斜面が削られて谷ができ、青々と植物が茂っているが、もう一方には乾燥して荒涼とした山肌が広がっている。バイソンが草をはみ、クマがエサを探し、オオヤマネコが小さな獲物を狩り、ハゲワシが死肉を求めて円を描くように上空を飛んでいる。変化に富んだ地形が豊富な種を育んでいるのだ。この地域は生物の多様性において世界有数のレベルを保ち、この地域特有の生物が環境に絶妙に溶け込んで生息している。

「 アムールヒョウと秘密の森 (The Secret Forest) 」

ロシアの太平洋沿岸には、国内でも珍しいアジアならではの動物が生息する。風景の主役は森と海岸線だ。森の中をネコ科では世界最大のアムールトラが駆け回り、ツキノワグマは木の上で周囲をうかがう。チャンカ湖にはスッポンが生息し、一帯の川の流域ではシマフクロウが狩りの獲物を探す。さらには、世界で40頭しかいないアムールヒョウが、すべてこの地域に住んでいる。その貴重な姿を美しい高解像度の映像でとらえる。