ポール・セレーノ(Paul Sereno)

ヘレラザウルスやエオラプトルに興味のある皆さんには、古生物学者ポール・セレーノの番組がお勧めです。「スーパー・クロコダイル (Super Croc)」で、彼は恐竜にまつわる最新の発見の裏に隠されたストーリーを明かします。 バーチャルに発掘に参加し、先史時代の怪物、恐竜を見つけ出してみませんか?

古生物学者であるポール・セレーノは、シカゴ大学の有機体生物学・解剖学の教授です。1957年10月11日に生まれ、イリノイ州のシカゴ近郊にあるネーパービルで育ち、北イリノイ大学で芸術学と生物学を勉強しました。セレーノはコロンビア大学で地質学の博士号課程に在籍していた時代、ニューヨーク州の米国自然史博物館で恐竜の化石の研究を始めました。その後、世界中を旅して、中国やモンゴルの膨大な恐竜化石を調査・撮影しました。

1987年、シカゴ大学で教鞭を取ることになったセレーノは、大学院生と学部生に古生物学と進化論を、医学部生には人体解剖学を教えました。

いくつもの大陸で新種の恐竜を発見したセレーノは、科学に基づいた研究という目的と教育者としての立場を併せ、化石調査の現場に学生を連れて行って恐竜発見のプロセスに携わる機会を作ろうとしています。1998年、セレーノと妻のガブリエル・リヨンは、共同で「踏査プロジェクト」という組織を設立しました。この組織は、恐竜に関する発見と自然科学を一般に広め、都会に住む子供たちに革新的な教育の機会を与えることを目的としています。

「この動物(カレハロドントザウルス)を見ていると、こんなにも長い間姿をとどめておけるものか、と不思議に思わないかい?。これこそ、真のサバイバーだ。」 - ポール・セレーノ

セレーノが1988年に最初のフィールドワークを行った土地は、アルゼンチンにあるアンデス山脈の丘陵地帯。彼が率いる発掘調査班は、そこで世界で初めて、原始の恐竜、ヘレラザウルスの全身の骸骨を発掘しました。1991年に再び同じ地を訪れたセレーノの調査班は、新種のエオラプトル科に属する小さな骸骨を発見しました。2億2800万年前、つまり恐竜時代の幕開けの頃の骸骨です。

1990年代初頭には、セレーノは焦点をアフリカやサハラ砂漠に移し、恐竜時代末期、つまり大陸が分離した頃の岩石層を研究しました。1993年と 1997年のニジェール探検、1995年のモロッコ探検では、アフリカで初めての白亜紀の恐竜の頭蓋骨と骸骨など、7つの発見がありました。ニジェールにある1億3千年前の岩石層からは、新種の肉食恐竜である全長8メートルのアフロベナトール、そして全長18メートルの植物食恐竜、ジョバリアを発掘しました。ニジェールの1億1千年前の岩石層からは、スコミムスという全長11メートルの魚食恐竜を発掘しました。そしてモロッコの9000万年前の岩石層からは、全長9メートルの新種の肉食恐竜、デルタドロメウス、さらに巨大な肉食恐竜、カルカラドントザウルスの最初の頭蓋骨を発見しました。これらを含め、セレーノがサハラ砂漠で発見した化石の数々は、1億年前、大陸移動によってアフリカ大陸が孤立した頃の恐竜の進化の過程を立証するものです。

セレーノは、1993年のシカゴトリビューン紙で「ティーチャー・オブ・ザ・イヤー」賞、1996年のシカゴ誌で「シカゴニアン・オブ・ザ・イヤー」賞を受賞。さらにその後、ニューズウィーク誌の「ザ・センチュリー・クラブ」賞(1997年)、ピープル誌の「世界で最も美しい50人」(1997年)、エスクワイア誌の「世界のベスト 100人」(1997年)、古生物学における重要な貢献対して贈られるボストン科学博物館ウォーカー賞(1997年)、コロンビア大学が優秀な業績をあげた研究者に与えるメダル(1999年)など、数々の賞を受賞しています。